割れたマグカップ

しょうもない備忘録

自惚れおじさん

自惚れおじさんとは、運良く成功した出来事を普遍的な事柄として、目下の人間に御高説を垂れるおじさんのことを指す。

おじさんは毎日様々に説教をする。それは8割くらいが根拠の怪しい自論に基づくものだ。しかしおじさんには自信だけはあるので、話し方も妙に力強く、新人は簡単に操られる。ミヒャエル・エンデはてしない物語に出てきた、からっぽの鎧を操る魔女のようだ。

 

「あの連中は甲冑だけで出来ていて、中は空っぽだとわかった。いったい何の力で動いているのだ?」
「空っぽだからこそ、私の意志に従うのでございます。中身の無いものなら、私の意志で操ることが出来るのです。」

 

気をつけようと思う反面、根拠の薄い自信に己が騙され、操られ続けているような虚しさを自惚れおじさんからは感じている。