割れたマグカップ

しょうもない備忘録

パワハラに耐える方法とゲーム脳

砂を食むような毎日である。

休みの日でも、休み明けの職場でのパワハラを考えて顔をしかめ、同行している友達に嫌な顔をされ、次回から誘ってもらえなくなるくらいに砂を食んでいる。

このまま行くと、体の構成要素が全て砂に置き替わり、サラサラと一塊の砂山になるかもしれない。オルフェノクになれない一般人の如く。

そして、その方が楽になれるとさえ思う。

が、これでは負けだ。

生き残りたい。しがみつきたい。

 

その中で一つ編み出した戦略に『バトルポイントシステム』がある。

 

これは、

パワハラと思わしき何かしらのアクションを受ける

パワハラを行う人間に自発的に接触する

上記2点がBP(バトルポイント)として個人に付与されるシステムで、職場で同じくパワハラを受ける後輩と業後のポイント数を競うゲームである。

 

ポイントは業後に集計され、加算値はそのパワハラ強度による。また、パワハラを受けることよりも、自発的にパワハラを行う人間に接触する方が多くポイントが付与される。

 

当該パワハラ強度は業後に審議会が開催され、徹底的に審議される。具体的には会場は飲み屋が主で、酒が入りつつだが微に入り細に入り詳細が報告され、全員の承認の元決定される。

そしてBPレーティング優勝者には基本的に食事代の無料化、もしくは全体のBP配分が少ない場合はデザートの供給等、こちらも審議会の承認を経て決定される。

 

これは同じようにパワハラを受けつつも、自分が守りきれない後輩への罪滅ぼしも兼ねているため、後輩にはBPに多少の隠し上昇補正がかかる。

 

バトルポイント、略してBPは、かつてはパワハラおばさんに因んでババアポイントと呼ばれた。しかし、終業後にもパワハラおばさんのことを思い出すと毎回嘔吐しそうになるため略してBPと呼称することにし、更にパワハラおばさんの他にも悲しいことにこの職場を取り巻く環境には障害となるような人間が多いため、全体とのバトルをポイント制とすることにし、バトルポイントと呼称することになった。

 

我が職場のBPの歴史はさておき、ゲーム脳の自分と後輩にはそれなりに効果があるようで、ポイント制を発表して数週間が経つが、少しずつだが後輩は元気になっている気がする。

 

このシステム採用に当たって、実施して実感したメリットとデメリットを数点ずつ挙げたい。

 

◯メリット

パワハラ野郎に話しかけるのが少しだけ気が楽になる

・自分及び他の被害者が少し元気になる

・たまに夕飯が無料になる

・他の部署の人間に、「あんなパワハラ上司に一所懸命話しかけててえらい」と思われる(思ってほしい)

 

◯デメリット

・自分と同じ思いをしている後輩、同僚が必要

・根本的な解決なのか不明(後輩へのパワハラ激化が懸念)

・業後、自分が見聞きしていなかった様々なパワハラを全て聞くため、たまに辛い気持ちになる

・外食が増える

・気づくと財布が軽くなっている

・人によっては、業後の審議会(たまに飲み会)もパワハラになり得る

 

そもそもBP制は複数の人間が存在しなければ成り立たないが、パワハラを受けている人間が何人もいること自体が狂っていて意味不明なため、現在の、出口の塞がれた沈没船のような地獄の職場でしかできないのが難点。

 

また、メリットにも挙げたが後輩が多少元気になっていることが逆にデメリットでもある。

詳しく言うと、パワハラ上司はパワハラ対象が元気そうにしているとパワーを増し、徹底的に切り刻んでミンチにしてやろうと言葉の刃を研ぎ始めるからだ。経験者もしくはパワハラ現場を見聞きした人ならわかると思う。彼らはどうしようもなく器が小さく陰険なので、誰かが幸せそうにしていたり、元気そうにしているのが許せないのだ。

だから、現状後輩が元気に仕事をしているのは嬉しくもあり心配でもある。また、パワハラを全て防衛できる壁となれない自分の力不足も実感して非常に辛い。

パワハラ上司が何か強大な力で粉砕されれば全部解決するがそうもいかない。毎晩祈っているが、どうも粉砕される様子はない。つらい。

 

外食が増えることについては、現在のBPの精算方法が『飲み屋での飲食』に限定されているからで、もう少し改良の余地はあると思う。

 これと関連して、今の後輩は業後の飲みや付き合いを自分から進言してくるため、特に苦ではないようだが、人によっては業後に職場の人間と付き合うのも辛いと思う。自分も億劫に感じる側なので、パワハラのサンプルデータは全て記録し、サンプルを基に審議の簡略化などを図り、長時間のBP審議は避けるように実施していきたい。

 

以降もBP制は継続することとし、また経過と改善点を記録していこうと思う。